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hanaちゃんからのお手紙

お父さんのこと

今日は父のお話をしようと思います。

といっても私が2歳のときに離婚しているので、小さいときの記憶は

ないんです。

高校を卒業した2日後に、私から連絡をして、会うことになりました。

そのときのお話です。



オカンは、浪人したら、以後の学費は一切出さないと高校生のときに私に常々言って
いました。私を勉強するために追い込もうとしたようなのですが、
私は全く追い込まれることなく、無事に浪人が決定しました。


ということで予備校に行くことにしたのですが、当然オカンはその学費を払ってくれません
でした。

悩みに悩んだ挙句、私は父親に出してもらおうと考え連絡をとったのでした。


その日のうちに会う約束をしたのですが、私には父の記憶などほとんどありません。
オカンには内緒で会うことにしたので、写真などは入手不可能です。
父親かどうか判別できるのかどうか不安でしたが、待ち合わせの駅へ行ったのでした。

ドキドキしながら、待っていたのですが、30分過ぎても来た様子がありません。
やっぱり、顔が分からないから無理なのかななんて考えていたそのとき


私と同じ顔をした人がやってきたのでした。

なんのことはない、全く同じ顔だったのです。



その後居酒屋に行ってお話をします。
「浪人いたしました。予備校に行きたいのですが、その学費を母は払ってくれないのです。たいへん恐れ入りますが、100万円ほど出して頂けませんでしょうか」

まるで、他人に話すように私は話を切り出したのです。
そりゃそうですよね。
15年以上会ってなかったのに(父親の記憶もないのに)

「おぅ、オヤジ予備校行くから金出してくれよ」

なんて言えないですよ。

だって、小学校の同級生だって、卒業してから全く会ってなくても高々6年間ですよ。幼稚園の先生に卒園以来会っていないっていっても12年間

それが15年ぶりに会った人なんてオヤジじゃない。
感じとしては、
ただのおっさんです。


そして、私の言葉を聞いた父親はしばらく黙っていたのですが、
しばらくして言いました。

「君の周りに小学生はいるか?」

「君」と呼ばれるところに、親子を感じさせないものがあります
が、父親の発言は何のことかさっぱりわからない。

「どういうこと?」


「つまりな、俺が君にお金を出すってのは、アリがライオンの子に食い物を提供するようなもんだぞ」


「はぁ?」




あとから分かったことですが、

ライオンの様に強い動物=オカン
アリのように弱い生き物=父親

と例えられほどに経済力に差があるらしい。

それを小学生に例えたのは
当時の私が小学生に食事をおごってもらうくらい、おかしいことなんだと言いたかったらしい。


ちょー分かりずらい。

この父親の子なら浪人してもしょうがないな、と納得したのでした。




ということで、私はライオンとアリのハーフです。
by irs-tkbeea | 2006-06-19 20:29 | その他
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「株」で生計を立てる一家の日記

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